【お寺のあらまし】 長泉寺は東京都渋谷区神宮前にある曹洞宗の寺院。 お寺の歴史は古く、そのいわれは平安時代までさかのぼります。本尊の「釈迦牟尼如来」、渋谷金王丸の守護仏「人肌正観世音菩薩」、三百年の歴史をもつ「千手千眼観音」をまつり、何百年にわたり信仰を集め、神宮前・渋谷の街が成り立つ前から、地域を見守ってきました。 また、境内には三界万霊塔を設け御遺骨の永代供養も行うほか、ペットの供養を行うペット塔などもございます。本殿・客殿には、仏間のほか、聴泉の間・掬泉の間・石泉の間・談玄の間・会議室・ロビーなども設けております。

【慈雲山長泉寺の歴史】 長泉寺の歴史は、平安時代の康平六年(一〇六三)、河崎基家公の開基により草庵が建立されたことにはじまります。基家公は、源義家に従って奥州の合戦に従軍した時に、抜群の功をたてた恩賞として谷盛の庄(渋谷、赤坂、代々木、麻布、飯倉、一ツ木、今井の六郷)を拝領しました。その渋谷の地に草庵を開いたのです。 久寿二年(一一五五)に孤嶽林峰大和尚が渋谷金王丸常光公の守り本尊「人肌正観世音菩薩」をまつり、観音堂および堂宇を再建しました。その後、火災により堂宇を焼失しますが、観音堂は無事で、村人の信仰のよりどころとして長く守護されてきました。 室町時代の大永年間(一五二一〜二七)には、上渋谷村の名主・先祖左膳(田中義直氏)によって穏田村に観音堂が再建され(『新篇武蔵国風土記』による)、天文一五年(一五四六)には真言宗の僧・以心春的大和尚によって堂宇が再建されました(『文政寺社書上』による)。 そして安土桃山時代の文禄元年(一五九二)、芝愛宕下の青松寺七世・瑞翁俊鷹(しゅんさく)大和尚を拝雇開山として招き、山号を「慈雲山」と改めて今日に至っています。