弊社吉澤は雑誌等の執筆実績等もあり、税務の専門家として経営とサイエンスにも取り上げられています。 2020年4月の緊急事態宣言が発動されて以降、税務署による新規の税務調査を一旦取りやめになり、2020年10月から再開されて、現在にいたります。 理美容業の税務調査は、一般的な法人と同じく売上、仕入発注、販管費、人件費、期末棚卸資産などのチェックが主になります。その際に必要なのが、スタイリスト、アシスタントのシフト表、売上の帳簿、予約表になります。 調査官の目線としては、予約表に記入しないフリー客の売上の記載漏れ、現金売上除外、また業務委託スタッフがいる場合は当該スタッフからの請求書もチェックし、売上漏れがないかを確認します。ですから、調査にはシフト表や予約表も必要になるわけです。 よく「調査官は売上や仕入外注の数字だけを追っている」と思っている経営者や専門家もいますが、肝心なのは売上・仕入発注の元になる事実の照明です。 サロンで言えば、お客様と決めたメニューをカルテに記載、さらに施術後カルテをレジに持っていき、顧客から代金を受け取り、領収書を発行という流れです。 ここにあった事実をしっかり残しておく必要があるのです。 専門用語では、これを証憑と言います。 一方で決算時、最近、サロン経営者の方からよく相談される勘定項目に「衣装代」があります。 これは一般的な事業ではあまり見ることのない勘定科目です。 ヘアモデルへの衣装代は、自社サイトやSNSに記載するなど、サロンを宣伝するのに、大いに影響力があります。そのため、私自身は、事業に必要な経費だと思っております。 　衣装代を経費として計上する際は、衣装の保管状態、撮影日(使用日)、廃棄日などをしっかり証憑として残し、調査官を納得させることが必要です。 　もちろんまったく実態のない衣装を経費計上することは違法行為ですし、調査官によっては見解の違いもあると思いますが、経費扱いできるか気になる場合は、各々の税理士に相談してみてください。