面接官が面白い質問をするメリットとは?

面接で面白い質問をする主なメリットは、応募者の価値観や考え方、仕事への向き合い方をより立体的に確認しやすくなることです。
経験やスキルを聞くだけでは、入社後の働き方や組織との相性まで見極めることが難しいケースもあるでしょう。しかし面白い質問を適切に取り入れることで、応募者の人柄や説明力、変化への対応力などが把握しやすくなります。
まずは、面接官が面白い質問を取り入れることで得られる主なメリットを確認しておきましょう。
なお、以下の記事では、面接官の心得や面接のコツについて解説しています。
面接前の準備からNG行動まで採用担当向けに解説|中途採用時の面接官の心得6選と3つの役割
【面接官向け】準備・進め方・評価の3つで採用ミスを防ぐ!|面接する側の基本とコツ完全ガイド
価値観や仕事への向き合い方を別角度から確認できる
1つ目のメリットは、応募者の価値観や仕事への向き合い方を別角度から確認できることです。
たとえば「あなたを動物に例えると何ですか?」という質問は、一見すると変わった質問に感じるでしょう。しかし、面接官が本当に見るべきなのは動物の種類そのものではありません。
「なぜその動物を選んだのか」「その特徴を自分の仕事にどのように結びつけているのか」という応募者が語る話の内容が重要であり、面接官はその話の中から自己理解や働き方の傾向を見極める必要があります。
面白い質問は単なる変化球ではなく、価値観・対応力・発想力を見極めるための入り口として機能する側面があるのです。
特に中途採用やシニア採用では再現性や変化適応力が重要な要素になるため、定番の質問だけでは見えにくい部分を補う意味でも面白い質問は有効です。
【準備された回答にはない本音】を引き出せる
2つ目のメリットは、「準備された回答にはない本音」を引き出せることです。
面接の定番質問に対する回答は応募者が事前に準備しているケースも多く、ある程度整えられた答えが返ってきやすいため、応募者の本音が見えにくいことも少なくありません。
しかし、少し視点を変えた面白い質問を入れると、応募者はその場で考えながら答えることになります。そのため、暗記した回答ではなく、その人らしい言葉や反応が出やすくなるメリットがあります。
たとえば、「最近あった面白い出来事を教えてください」という質問では、話題の選び方に人柄が表れます。「最近気になるニュースはありますか?」という質問では、関心の方向や情報の捉え方が見えるでしょう。
「あなたは運がいいと思いますか?」という質問では、前向きさや物事の解釈の仕方が伝わりやすくなります。
履歴書や職務経歴書だけでは伝わりにくい「一緒に働くイメージ」を持ちやすくなることも、面白い質問をするメリットの1つです。
論理的説明力を確認できる
3つ目のメリットは、論理的説明力を確認できることです。
たとえば、「自分にキャッチコピーをつけてください」という質問では、短く要点をまとめる力がわかります。
「ホームページを見て思ったことを教えてください」という質問では、観察した内容を自分の言葉で説明できるかを確認できるでしょう。
論理的説明力はどんな仕事にも必要な要素です。特に営業職、企画職、管理職、接客職のように、相手にわかりやすく伝える力が求められる職種では、必須要素になるでしょう。
面白い質問をすることにより「結論→理由→具体例」の順で話せるかどうかの見極めが可能になり、合否判断がしやすくなるメリットがあります。
特に、中途採用やシニア採用では、経験年数が長い分説明が長くなりやすい傾向があります。面白い質問を通じて、限られた時間の中で要点を整理しながら話せるかどうかを確認することは、実務での再現性を見極めるうえでも有効な方法です。
面接の雰囲気がやわらかくなる
4つ目のメリットは、面接の雰囲気がやわらかくなることです。
面接の序盤は、応募者が緊張して本来の力を出しにくい場面が多くなります。特に久しぶりに面接を受ける人は、第一声から硬くなってしまうことも珍しくありません。
そんなとき、緊張を和らげる目的で答えやすい面白い質問を短く取り入れると、会話の流れが自然になることがあります。
たとえば、「今日は迷わず来られましたか?」という軽い導入のあとに、「最近気になっていることはありますか?」のような質問を入れると、応募者が自分の言葉で話しやすくなるでしょう。
面接の雰囲気がやわらかくなると応募者の表情や話し方が自然になり、面接官側も本来のコミュニケーション力を発揮しやすくなるメリットが生じます。
ただし、話題選びには注意が必要です。
家族、恋人、結婚予定、住まい、健康状態など、私生活に踏み込みやすい内容は避け、来社・天気・移動・最近の関心事のように、その場で安全に答えやすい話題を選ぶことを意識しましょう。
面接の雰囲気を整えることは、応募者への配慮であると同時に、応募者を正確に見極めるための準備でもあります。面白い質問は、そのためのきっかけとして活用できます。
面白い質問を安全に作るための手順

面白い質問を作る際には、ユニークな言い回しよりも、職務とのつながり・公正採用への配慮・評価のしやすさを考慮して設計することが大切です。
ここでは、面白い質問を安全に作るための基本手順を解説します。
確認したい能力を決める
まずは、「この質問で何を確認したいのか」という目的を明確にしましょう。
たとえば「あなたを動物に例えると何ですか?」という質問から、自己理解を見たいのか、比喩を使った説明力を見たいのか、仕事への接続力を見たいのか、確認したいポイントは企業によって異なります。
まずは、以下のように確認したい能力を明確にしてから、逆算して質問を作ることを意識しましょう。
例
- 価値観や仕事観を確認したい
- 自己理解力を確認したい
- 発想力や柔軟性を確認したい
- 変化対応力や問題解決力を確認したい
- 説明力や論理性を確認したい
- 企業理解や志望度を確認したい
- 再現性や適応力を確認したい
上記のように確認したい能力を先に決めておくと、面接官同士で「この質問は何を見るためのものか」という目的が把握でき、後の評価設計にもつながります。
確認したい能力が曖昧なまま質問すると、面接官の好みや感覚に左右されやすくなり、答えの印象だけで評価してしまうため注意が必要です。
職務との関連性のある質問を設計する
目的を明確にしたら、職務との関連性のある質問を設計します。
質問を考える際には、その質問が実際の仕事とどのようにつながるかを考えることがポイントです。
たとえば発想力を確認したい場合は、抽象的な質問をそのまま使うより、以下のように業務に近い形に置き換えると評価しやすくなります。
例
- 抽象的な質問:「無人島に1つだけ持っていくなら何ですか?」
- 業務につながる質問:「明日から使える予算が半分になったら、最初に何を残して何を削りますか?」
後者の方が、優先順位のつけ方、判断軸、説明の筋道が見えやすいため、実際の働き方が想像できるでしょう。
また、営業職や接客職であれば、「好きなものの魅力を30秒で説明してください」「当社のサービスを初めて聞く人に説明してください」などの質問をすれば、相手にわかりやすく伝える力を見極められるはずです。
面白い質問は印象に残りやすい一方で、職務との関連性が弱いと「面白かった」で終わりやすくなります。そのため、ユニークさに寄りすぎず、職務で必要な力を見える形に変換することを意識しましょう。
私生活や思想信条に踏み込まない形で設計する
面白い質問を使うときは、会話が広がりやすいからこそ、質問の範囲を慎重に設計することも重要です。
少し変わった質問は応募者の考え方や業務上の判断傾向を確認しやすい一方で、話題の選び方によっては、厚生労働省が示す公正な採用選考の観点から問題視される可能性があります。
本人の適性や能力と直接関係しない内容を深掘りすると、応募者に不信感を与えるだけでなく、企業リスクにもつながるおそれがあるため、注意が必要です。
面白い質問を設計する際には、内容のユニークさだけで判断せず、私生活や思想信条に踏み込んでいないかを必ず確認しておきましょう。
なお、以下の記事では、面接で聞いてはいけない質問について詳しく解説しています。
NG質問を回避する方法や代替質問を厚生労働省基準で紹介|中途・シニア面接で聞いてはいけない質問
家族・恋人・結婚予定など私生活に踏み込む内容
会話の流れをやわらかくしようとして、私生活に触れる質問を取り入れる面接官もいるでしょう。
しかし、家族・恋人・結婚予定などの私生活に踏み込む内容は採用面接では慎重に扱う必要があり、以下のような質問は避けた方が安全です。
・家族とはどのような存在ですか?
・恋人はいますか?
・結婚の予定はありますか?
・結婚後も働き続けられますか?
・休日は誰と過ごすことが多いですか?
上記のような質問は応募者の私生活や家庭事情に触れやすく、本人の適性・能力と関係の薄い情報を拾いやすくなります。特に中途採用やシニア採用では、家族構成や生活事情を推測されることへの抵抗感が強い応募者も少なくありません。
アイスブレイク目的であれば、来社時の移動、当日の天気、最近関心を持っているテーマ、最近読んだ業界ニュースのように、業務やその場の会話に近い話題を選ぶ方が無難です。
尊敬する人物・愛読書・思想信条に関わる内容
面白い質問として使われやすい内容の中には、価値観を見ようとして思想信条に近づきやすいものがあります。その代表例が、「尊敬する人物」「愛読書」「大切にしている思想」を直接聞く質問です。
たとえば、以下のような質問には注意が必要です。
・尊敬する人物は誰ですか?
・人生で最も影響を受けた本は何ですか?
・どのような思想や信条を大切にしていますか?
・最近共感した社会的な主張はありますか?
これらの質問は答え方によっては応募者の思想、宗教観、政治的な考え方、価値観の深い部分まで推測しやすくなるため、面接官側にその意図がなくても、応募者は「考え方を試されている」と感じることもあります。
価値観や考え方を確認したい場合は、できるだけ職務に近い形に置き換えることがポイントです。
年齢・健康・体力に関する内容
年齢・健康・体力に関する内容は、特に中途採用やシニア採用で確認したくなる場面が多いですが、質問の仕方には注意が必要です。
・年齢的にきつくありませんか?
・体力に自信はありますか?
・持病はありますか?
・通院していますか?
・若い人に合わせられますか?
上記のような聞き方は、年齢や健康状態そのものを評価しているように受け取られやすいため、応募者に強い違和感を与えてしまう可能性があります。
実際の業務遂行可否を確認したい場合は、仕事内容や勤務条件を具体的に示したうえで、対応可能かどうかを確認する形に変換しましょう。
圧迫面接と感じさせる言動
面白い質問は使い方によっては「試されている」「からかわれている」と受け取られることもあるため、聞き方や態度にも注意が必要です。
圧迫面接に近い印象を与えやすい例
- 答えに正解があるように詰める
- 抽象的すぎる質問を連続で出す
- 反応を見るためにわざと困らせる
- 回答を否定しながら深掘りする
- 笑いを誘う目的で個性をいじる
また、質問後の対応も重要です。
たとえば、「少し考えてからで大丈夫です」「正解を求める質問ではありません」「考え方を聞かせてください」と一言添えるだけでも、応募者は答えやすくなるでしょう。
面白い質問は、「その人らしい考え方を引き出すために使う」という前提で設計すると、質問の質が安定しやすくなります。
なお、以下の記事では、圧迫面接について詳しく解説しています。
民事・刑事・行政リスクと圧迫面接の防止対策を詳しく解説!|圧迫面接は違法になる?企業が知るべき対策
評価基準までセットで考える
質問を決めた段階で、評価基準も決めておきましょう。
たとえば、「あなたを動物に例えると何ですか?」という質問でも、面接官によって見ているポイントが違うと、比較が難しくなります。
そのため、質問を決めた段階で、以下の内容も同時に決めておくことが重要です。
決めておくべきこと | 例 |
|---|---|
質問 | あなたを動物に例えると |
この質問で | 自己理解・説明力 |
高評価となる | 結論が明確 |
深掘りで確認する | その特徴が仕事で表れた |
上記のように設計しておくと、面白い質問でも感覚評価になりにくくなります。
一方で、面接設計が整ってくると、次に見えてくるのが「そもそも面接に呼べる応募者が集まらない」という課題です。
特にシニア採用では、評価基準や質問設計を整えるだけでなく、条件に合う人材と出会える母集団づくりまで含めて考えることが重要です。
そこで、まずは「シニア求人情報を無料で掲載できるサービス」を活用し、条件に合う応募が集まりやすい状態を作っておくと、面接では「人柄」「意欲」「再現性」の見極めに集中しやすくなります。
面接官がそのまま使える!面白い質問30選

採用面接で面白い質問をする場合は、質問の意図が明確で、評価しやすく、職務との関連性を説明できることが重要です。
ここでは、面接官がそのまま使える面白い質問例を目的別に紹介します。
なお、面接でそのまま使える質問に関しては以下の記事も参考にしてください。
面接の流れや中途・シニア採用で使える質問例を場面別に解説|そのまま使える!面接官の質問一覧130選
型別テンプレート・評価基準を把握して評価のばらつきを防ぐ面接設計に!|構造化面接の質問例と作り方の完全版
人柄・価値観を確認したい場合の質問
人柄や価値観を確認する質問では、応募者の判断軸や仕事に向き合う姿勢の見極めが可能です。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
最近、ラッキーだと | 前向きさ | 出来事の選び方 | 雑談で終わらず |
もし法律を1つだけ | 社会視点 | 「課題設定→変更理由→影響」 | 政治的立場の確認に |
人生にタイトルをつけるなら、 | 自己認識 | 題名と理由に | センスより |
自分のこだわりを | 判断基準 | こだわりの背景と | 私生活の趣味に |
入社後1か月で、チームに1つだけ | 優先順位 | 理由が明確か | 抽象的な理想論で終わらないよう |
回答の内容そのものよりも、「なぜそう考えるのか」「仕事でどのように表れるのか」まで確認すると、評価につなげやすくなります。
自己理解や強みを確認したい場合の質問
自己理解に関する質問では、応募者が自分の強みや特徴をどれだけ客観的に把握しているかを確認できます。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
自分を動物に例えると | 自己理解 | 選んだ理由と自分の特徴が | 動物の答えそのものを |
自分を色に例えると | 自己表現 | 色のイメージと行動特性が | 感覚だけで終わらせず |
自分にキャッチコピーを | 強みの要約力 | 短くまとめつつ | 印象の強さだけで |
自分を商品として紹介するなら、 | 価値提案力 | 強み・特徴・理由が | うまい言い回しだけを |
チームの中での自分を | 自己理解 | 役割の根拠を | 抽象的な表現で終わらないよう |
応募者の回答が抽象的な場合は、過去の行動や成果に結びつけて深掘りすると、強みの再現性を見極めやすくなります。
発想力・説明力を確認したい場合の質問
発想力や説明力を確認する質問は、企画職・営業職・接客職・管理職など、考えを整理して伝える力が求められる職種と相性が良いテーマです。
答えの面白さよりも、「結論→理由→具体例」で話せているかを見ると、評価が安定しやすくなります。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
無人島に1つだけ持っていくなら | 優先順位 | 選んだ理由が明確か 前提を整理できるか | 回答のユニークさだけで |
100万円を自由に使えるなら、 | 優先順位 | 使い道の理由と | 金銭感覚の良し悪しで |
自分を表す服を作るなら、 | 自己表現 | デザインと自分の特徴が | センスの評価に |
もし特別な力を1つ持てるなら、 | 欲求 | 力の選び方と | 仕事との接続を |
もし1日だけ | 興味関心 | 選択理由が明確か 何を学びたいかを | 職種名の面白さではなく |
ユニークな回答かどうかよりも、「相手に伝わる順序で話せているか」「理由や根拠を添えられているか」を確認しましょう。
本音や素の反応を確認したい場合の質問
本音や素の反応を確認する質問では、準備された回答では見えにくい人柄や考え方のクセを把握できます。
応募者がその場で考える時間が生まれるため、暗記ではない「その人らしい言葉」が出やすくなることがメリットです。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
最近あった面白い | 人柄 | 何を面白いと感じるか 話の流れが自然か | プライベートを |
最近気になっている | 情報感度 | ニュースの選び方と | 知識量だけで評価しない |
今この場で内定が出たら、 | 素直さ | 喜びと冷静さの | 圧迫的に受け取られないよう |
最近買ったもので、 | 意思決定の軸 | 選んだ理由が明確か | 価格や趣味の優劣で見ない |
自分は運がいい方だと | 出来事の解釈 | 運を行動や考え方と | 性格診断のように扱わない |
回答の内容だけでなく、考える時間の取り方や言葉を選ぶ過程まで見ると、応募者の人柄が見えてくるでしょう。
場をやわらげるアイスブレイク用の質問
アイスブレイクで使える質問は、面接の空気をやわらげ、応募者が話しやすい状態を作るために役立ちます。短く答えやすい質問から入ると、その後の会話が自然になるでしょう。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
今日は迷わずに | 緊張緩和 | 受け答えが自然か | 深掘りしすぎず |
最近ハマっていることを | 話しやすさ | 自分の言葉で | 趣味の内容を評価しない |
今日の気分を天気に例えると | 緊張緩和 | 軽い比喩で話せるか | 長く引っ張らない |
今朝の自分にキャッチコピーを | 緊張緩和 | その場で考えて話せるか | 本編の評価に |
面接前に頭の中で流れていた | 雰囲気づくり | 場に合わせて | 答えにくそうなら |
回答の面白さを評価するのではなく、その後に応募者が話しやすい状態を作れているかを重視しましょう。
シニア採用でも使いやすい配慮型の面白い質問
シニア採用でも使いやすい質問では、相手を試すような聞き方ではなく、経験の言語化・再現性・柔軟性を確認しやすい質問にすることがポイントです。
年齢を意識させるのではなく、「これまでの経験を新しい環境でどのように活かせるか」を引き出すことを意識しましょう。
質問例 | 面接官の意図 | 評価ポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
これまでの経験を道具に | 経験の抽象化 | 道具の特徴と | 比喩だけで終わらせず |
若手に最初に渡したい | 知識継承 | 具体性があり | 上から目線の印象だけで |
新しい職場に持ち込める | 再現性 | 行動習慣として | 前職のやり方の押しつけに |
これまでの仕事人生に | 自己理解 | 一貫性と転機を | 人生観だけで終わらせない |
年下の上司と働くとき、 | 協働姿勢 | 相手尊重と | 対立前提の聞き方にしない |
シニア採用では、経験年数そのものよりも経験を新しい環境でどのように再現できるかを確認すると、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
面白い質問に対する回答を正しく評価する方法

面白い質問は回答に正解がないからこそ、面接官の好みで評価してしまう傾向があるため、慎重な対応が求められます。
ここでは、面白い質問に対する回答を正しく評価する方法を解説します。
なお、以下の記事では、面接の評価方法に関して詳しく解説しています。
面接官ごとの評価ブレを防ぐ!面接評価シートの作り方|中途採用の面接評価シートテンプレート
【採用担当者向け】採用ミスを防ぐ5段階評価と職種別の設計例|面接評価シート項目の設計方法
事前準備から一次・二次・最終面接の役割・引き継ぎまで徹底解説|中途・シニア採用面接の流れと評価基準
全候補者に同じ質問・同じ評価基準を使う
面白い質問をするときこそ、全候補者に同じ質問をすることが重要です。
たとえば、同じ職種の候補者に対して、以下のように質問がばらばらになると、評価する能力がそろいにくくなります。
候補者Aは「自分を動物に例えると何ですか?」
候補者Bは「最近気になるニュースはありますか?」
候補者Cは「無人島に1つだけ持っていくなら何ですか?」
これでは、同じ基準で評価することが難しいでしょう。
面白い質問を評価に活かすためには、まず「この質問で何を確認するのか」を面接官同士で共有しておくことが重要です。さらに、評価基準もそろえておくと面接官ごとの差を抑えやすくなります。
仕事の再現性につながる具体例まで深掘りする
面白い質問をする場合は、最初の回答だけで評価を決めず、その後の深掘りまで含めて判断することが大切です。
たとえば、「自分を動物に例えると何ですか?」という質問で「犬です」とだけ答えた場合、その回答だけでは評価の判断材料になりません。しかし、以下のような深掘り質問を行うことで、自己理解が実際の行動とつながっているかを確認しやすくなります。
・そのように考える理由は何ですか?
・仕事でその特徴が出た場面はありますか?
・周囲から同じように見られた経験はありますか?
「最近気になるニュースはありますか?」という質問でも、ニュースの名前だけで終わらず、以下の深掘り質問をすると、考え方の深さや仕事への接続力が見えやすくなります。
・なぜそのニュースに注目したのですか?
・どの点が気になりましたか?
・その考え方は仕事でどのように活かせそうですか?
面白い質問は入口として使い、その後は行動面接の考え方で具体例まで確認すると評価がしやすくなります。
回答内容よりも理由と根拠を評価する
面白い質問では、回答そのもののインパクトよりも「なぜその答えになったのか」を重視すると、評価が安定しやすくなります。
評価のポイント
- 結論が明確か
- 理由が具体的か
- 根拠となる経験や考え方があるか
- 仕事に結びつけて説明できるか
たとえば、「自分を色に例えると何色ですか?」という質問で、青と答える応募者もいれば、赤と答える応募者もいます。このとき、色の選択自体に優劣はありません。
評価すべきことは、「なぜその色を選んだのか」「その特徴が自分の行動や仕事にどのようにつながるのか」という説明の部分です。
同じように、「無人島に1つだけ持っていくなら何を選びますか?」という質問でも、選ぶ物そのものより、「何を前提に考えたか」「何を優先したか」「理由をどのように説明したか」を見ると、実務につながる判断がしやすくなります。
面白い質問は、答えがユニークなほど印象に残りやすくなります。しかし、回答内容そのものより、理由と根拠の質が重要であることを理解しておきましょう。
評価シートには事実と解釈を分けて記録する
評価を行う際は、記録の仕方にも注意が必要です。特に有効なのは、事実と解釈を分けて記録することです。
たとえば、「自分を商品として紹介するなら、どのように売り込みますか?」という質問に対して、「話が上手だった」「面白かった」とだけ書いてしまうと、後から評価を見返したときに何を根拠に判断したのかがわかりにくくなってしまいます。
評価シートには以下の順で記録することを意識しましょう。
評価シートの記録内容
- 事実:応募者がどのように答えたか
- 解釈:その回答からどのような強み・傾向が見えたか
- 評価:基準に照らして何点か
- 補足:追加で確認したい点や懸念点
実際には以下のように書くと、面接官同士でも共有しやすくなります。
事実:自分を「調整役の潤滑油」と表現。過去に複数部署の調整役を担った具体例を説明
解釈:自己理解があり、役割認識が明確。説明も簡潔でわかりやすい
評価:説明力4、自己理解4、再現性4
補足:主体的にリードした場面を次回確認
この書き方なら、どのような要素を評価したのかが明確に残せます。評価会議を行う場合でも、他の面接官に評価の理由を説明できるでしょう。
面接官が面白い質問をする際の注意点

面白い質問は使い方次第で面接の質を高めやすくなる一方、運用を誤ると、評価のぶれや応募者の志望度の低下につながることがあります。
ここでは、面接官が面白い質問をする際の注意点を解説します。
面白さよりも職務関連性を優先する
1つ目の注意点は、面白さよりも職務関連性を優先することです。
採用面接で使う質問は、応募者の適性や能力、仕事への向き合い方を確認するためのものです。そのため、印象に残る質問であっても、職務との関連性が薄いまま使うと評価しにくくなるため、注意が必要です。
面白い質問はユニークさが主役ではなく、見極めの補助線として使うと、面接全体の質が安定しやすくなります。
応募者が答えにくそうな場合は質問の意図を補足する
2つ目の注意点は、応募者が答えにくそうな場合は質問の意図を補足することです。
面白い質問は、応募者にとって意図がつかみにくいことがあります。そのため、応募者が答えにくそうな反応をした場合は、質問の意図を短く補足すると会話が進む可能性があります。
たとえば、「自分を色に例えると何色ですか?」という質問に対して、応募者が戸惑っている場合、そのまま沈黙を待つよりも、以下のような一言を添えると回答しやすくなるでしょう。
・自分の特徴をどのように整理しているかを知りたくて伺っています
・正解を求める質問ではなく、考え方を聞きたい意図です
・答えやすいイメージで大丈夫です
特に中途採用やシニア採用では、「面接でこのような質問をされた経験が少ない」「久しぶりの面接で緊張している」というケースも少なくありません。
このような場面で質問の意図を補足せずに進めると、「試されている」「正解を当てる場なのか」と感じられやすくなります。
しかし、面接官が意図を短く伝えることで、応募者は自分の考え方を言葉にしやすくなり、本来見たい情報も引き出しやすくなります。面白い質問は、相手を戸惑わせるためではなく、「自然な対話の入口を作るために使う」ことを認識することが大切です。
雑談でも採用に関係のない個人情報は聞かない
3つ目の注意点は、雑談でも採用に関係のない個人情報は聞かないことです。
面接官が緊張をほぐすつもりで以下の内容に触れてしまうと、応募者に強い違和感を与えてしまう可能性があります。
採用に関係のない個人情報
- 家族のこと
- 恋人や結婚予定
- 住まいや生活環境
- 健康状態
- 宗教や思想に近い話題
さらに、「この情報が選考に影響するのではないか」と疑念を抱かせてしまう可能性もあるでしょう。
面白い質問は話しやすさを作るために有効です。ただし、話しやすさと踏み込みすぎは別物であることを、面接官側が意識しておくことが重要です。
シニア採用では経験を尊重して試すような聞き方を避ける
4つ目の注意点は、シニア採用では経験を尊重して、試すような聞き方を避けることです。
シニア人材は、これまでの職歴や役割の中で、自分なりの仕事観や価値観を持っています。そのため、面白い質問を「反応を見るためのテスト」のように使うと、「軽く扱われている」と感じさせてしまうおそれがあります。
・新しいやり方についていけますか?
・若い上司の指示に従えますか?
・今から新しいシステムを覚えるのは大変ではありませんか?
上記のような聞き方では、面接官が本当に確認したい適応力や協働姿勢よりも、応募者の警戒感が強く出てしまうでしょう。
シニア採用では、経験を試すよりも、経験をどのように活かせるかを一緒に確認する姿勢が重要であることを理解しておきましょう。
面白い質問は応募者理解を深める補助線になる!

面接で使う面白い質問は、場を盛り上げるためのものではなく、応募者の価値観や自己理解、説明力、適応力を別角度から確認するための補助線になります。
質問の意図を明確にし、職務との関連性から評価基準までそろえて運用すれば、定番の質問だけでは見えにくい人柄や仕事の再現性まで把握できるメリットがあります。
ただし、面接の設計が整っても、そもそも会いたい人材に出会えなければ採用は進みません。質問設計や評価基準を整えたうえで、応募者と出会える母集団づくりまでセットで考えることで、採用活動はより進めやすくなります。
この機会に「シニア求人情報を無料で掲載できるサービス」を利用して母集団を広げ、面接で再現性や適応力を見極める流れを作り、低コストでできる採用活動を始めてみてはいかがでしょうか?











