介護人材の採用が難しい主な理由とは?

介護人材の採用が難しい背景には、介護サービスを必要とする人の増加に加え、他業界との人材獲得競争や職種ごとの採用難易度の違いなどがあります。
介護人材の採用を進めるためにも、まずは人材確保が難しくなっている背景を確認しておきましょう。
なお、以下の記事でも、人材確保の方法について解説しています。
応募者を増やし採用・定着につなげるポイントを紹介|すぐに実践できる!人材確保の方法15選
人手不足が起こる原因と今すぐ取り組むべき解決策を徹底解説|【企業向け】人手不足対策の完全ガイド!
介護サービスの需要に対して人材が不足しているため
1つ目の理由は、介護サービスの需要に対して人材が不足しているためです。
厚生労働省が公表した「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると、必要な介護職員の数は、2022年度には約215万人でした。しかし、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人の介護職員が必要になると推測されています。
これは、2022年度と比較すると、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人の増加が必要になるということです。
厚生労働省も、介護を含む社会インフラ関連職について、人材確保が課題になっていることを示しています。
今後も介護サービスを必要とする人が増えることが予想されるため、必然的に介護事業者が確保しなければならない人材も増えていきます。限られた介護人材を複数の事業者が採用する状況が続き、人材確保はさらに重要な課題となるでしょう。
なお、以下の記事では、中小企業の人手不足対策について詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。
原因と対策、採用改善の進め方や定着率向上のポイントを解説!中小企業の人手不足を改善する方法とは?
※1:厚生労働省|第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
※2:厚生労働省|介護人材確保に向けた取組
他業界との人材獲得競争が激しくなっているため
2つ目の理由は、他業界との人材獲得競争が激しくなっているためです。
介護事業者が採用で競合する相手は、同じ地域の介護事業所だけとは限りません。
求職者は介護業界以外の求人も比較できるため、給与や休日、勤務時間、仕事内容などの条件によっては、ほかの業界を就職先として選ぶ可能性があります。
特に介護職は、身体的な負担や夜勤などがある一方で、ほかの業界と比較して給与水準が高いとはいえません。そのため、より給与が高い仕事や勤務条件のよい仕事があれば、求職者がほかの業界を選ぶことも考えられます。
介護サービスの需要が高まる一方で、他業界へ人材が流れる可能性もあることが、介護業界で人手不足が起こりやすい理由の1つになっています。
職種によって採用難易度が大きく異なるため
3つ目の理由は、職種によって採用難易度が大きく異なるためです。
介護業界では、施設介護員や訪問介護員、ケアマネジャーなど、職種によって人材の需給状況が異なります。
特に人材確保が難しい職種の1つが、利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供する訪問介護員です。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、令和7年度の全国の有効求人倍率は、施設介護員が2.96倍であるのに対して、訪問介護員・ホームヘルパーは28.37倍でした。
有効求人倍率が高い職種ほど、求職者1人あたりの求人が多く、企業間の人材獲得競争も激しくなります。
そのため、介護業界全体で一定数の求職者がいたとしても、必要な職種に十分な人材を確保できるとは限りません。特に訪問介護員のように求人に対して求職者が少ない職種では、必要な人数を採用できない事業者が生じやすくなります。
※3:厚生労働省|job tag 施設介護員
※4:厚生労働省|job tag 訪問介護員/ホームヘルパー
採用した人材が定着しにくいため
4つ目の理由は、採用した人材が定着しにくいためです。
介護人材の採用では、新しい人材を確保するだけでなく、採用後の離職にも目を向ける必要があります。
介護労働安定センターの令和7年度「介護労働実態調査」によると、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の離職率は12.4%でした。つまり、1年間で在籍者のおよそ8人に1人に相当する割合の離職が発生していることになります。
また、同年度の採用率は14.6%です。人材を新たに採用しても一定数が離職するため、採用数ほどには職員数が増えにくい状況であることがわかります。
必要な人数を採用できても、その後に既存職員や新しく採用した職員が離職すれば、再び人材を募集しなければなりません。採用と離職が繰り返されることで、必要な職員数を安定して確保することが難しくなります。
このように、新たな人材の採用だけでは人員不足を補いきれず、一定数の離職によって必要な職員数を維持しにくいことも、介護業界で人手不足が起こる理由の1つです。
※5:公益財団法人介護労働安定センター|令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について
介護人材を採用する前に決めておくべき採用要件

介護人材の採用活動を始める前には、自社が必要とする人材の条件を明確にしておく必要があります。
採用する職種や人数、必要な資格・経験、入社後の仕事内容などを順番に確認し、自社に合った採用要件を決めましょう。
採用する職種と必要人数を明確にする
まずは、どの職種を何人採用する必要があるのかを明確にします。
介護事業所では、介護職員や訪問介護員、ケアマネジャー、生活相談員など、さまざまな職種が働いています。人員が不足しているからといって一括して「介護人材」を募集するのではなく、現場で不足している職種を確認することが採用要件を決める第一歩です。
必要人数についても、現在の欠員数だけで判断するのではなく、利用者数や業務量、職員の勤務状況、今後の退職予定などを踏まえて考えることがポイントです。
以下のように具体化すると、必要な人材像が見えやすくなるでしょう。
・夜勤に入れる介護職員が2人不足している
・利用者の増加に伴い訪問介護員を3人増員する必要がある
職種と必要人数を明確にすることで、次に確認する資格や経験、勤務条件なども設定しやすくなります。
必要な資格や実務経験を明確にする
募集する職種が決まったら、業務を担当するために必要な資格や実務経験を明確にします。
介護業界には、介護福祉士や介護支援専門員(ケアマネジャー)、介護職員初任者研修など、業務や職種に関係するさまざまな資格があります。職種によっては資格が必要になるため、入社後に担当してもらう業務をもとに条件を設定する必要があります。
実務経験についても、「介護経験3年以上」のように年数だけで設定するのではなく、実際にどのような経験が必要なのかまで考えることがポイントです。
例
- 特別養護老人ホームでの身体介護経験
- 認知症のある利用者への対応経験
- 訪問介護の経験など
採用後すぐに任せる業務と、入社後の研修やOJTで身につけられる業務を分けて考えると、本当に必要な資格や経験を判断しやすくなります。
入社後に任せる仕事内容と役割を明確にする
採用要件を決める際は、入社後に担当してもらう仕事内容や役割まで具体的に決めておきましょう。
例
- 食事・入浴・排泄などの身体介護
- レクリエーションや生活支援
- 新人職員への指導
- 利用者の家族への対応
- 夜勤など
介護職員を募集する場合でも、食事・入浴・排泄などの身体介護を中心に担当するのか、レクリエーションや生活支援まで幅広く担当するのかによって、求める経験やスキルは変わります。
さらに、夜勤の有無や新人職員への指導、記録業務、利用者の家族への対応なども、事業所によって担当範囲が異なる部分です。
仕事内容を具体的にすることで、「入社後すぐに任せる業務」「経験に応じて任せる業務」「入社後に覚えてもらう業務」を区別しやすくなります。
採用する人材にどこまでの役割を求めるのかを明確にしておけば、必要な資格や経験を過不足なく設定しやすくなり、入社後のミスマッチ防止にもつながります。
必須条件と歓迎条件を分けて採用対象を狭めすぎない
資格や経験、仕事内容を確認したら、採用要件を「必須条件」と「歓迎条件」に分けます。
必須条件と歓迎条件
- 必須条件→業務を担当するうえで欠かせない資格や経験
- 歓迎条件→持っていれば業務に活かせるものの、採用時点では必ずしも必要ではない条件
例えば、介護職員の募集で「介護福祉士」「介護施設での実務経験3年以上」「夜勤経験」のすべてを必須にすると、条件に該当する求職者は限られてしまうでしょう。
しかし、実際の業務を確認した結果、「資格は必要だが経験年数は問わない」「夜勤経験は入社後に身につけられる」と判断できるのであれば、一部を歓迎条件にすることで候補者の幅が広がります。
なお、採用要件を見直す際は、年齢についても必要以上に対象を限定していないか確認することも重要です。
介護業務の経験や資格を持つ人材は、若年層や現役世代だけではありません。介護施設や訪問介護などで経験を積んできたシニア人材まで対象を広げれば、自社が求めるスキルを持つ人材と出会える可能性も高まります。
経験者からの応募が集まりにくい場合は、「シニア求人情報を無料で掲載できるサービス」を活用して、採用候補となる人材の幅を広げる方法がおすすめです。
介護人材からの応募を増やす求人の作り方

採用要件が決まったら、求職者に自社の求人を選んでもらうための求人内容を作成しましょう。
求人を作成する際は、企業側が伝えたい情報を並べるだけでなく、求職者が応募先を選ぶ際に知りたい情報を具体的に伝えることがポイントです。
なお、以下の記事でも、応募を増やす求人について詳しく解説しています。
応募が来ない原因と今すぐできる改善方法10選を解説!求人の応募を増やすにはどうすればいい?
給与は地域や職種の相場を確認して設定する
介護人材からの応募を増やすためには、地域や職種の相場を確認したうえで給与を設定することが重要です。
同じ介護業界でも、施設介護員や訪問介護員、ケアマネジャーなど、職種によって給与水準は異なります。また、勤務地によっても相場が変わるため、自社の給与だけを見て適正かどうかを判断するのは難しいです。
給与を決める際は、厚生労働省の「job tag」やハローワークの求人情報などから、同じ地域・職種の給与水準を確認し、基本給、資格手当、夜勤手当、処遇改善に関する手当、賞与なども含めて、求職者が実際の収入をイメージできるように記載しましょう。
例
- ✖→「月給23万円~」
- 〇→「月給23万円~28万円+夜勤手当1回○円」「介護福祉士は資格手当月○円」
給与を高く見せることを優先するのではなく、相場を踏まえた金額を設定し、手当や条件で給与がどのように変わるのかまで伝えることが大切です。
仕事内容や1日の流れを具体的に記載する
求人には、採用後に担当する仕事内容も具体的に記載しましょう。
例
- ✖→「介護業務全般」「利用者の生活をサポートする仕事」
- 〇→「食事・入浴・排泄の介助」「レクリエーションの企画実施」「介護記録の作成」
さらに、1日の仕事の流れを掲載する方法も効果的です。
1日の流れの例
- 9:00:申し送り・情報共有
- 10:00:入浴介助
- 12:00:昼食介助
- 14:00:レクリエーション
- 16:00:介護記録
上記のように時間帯ごとの業務を紹介すると、入社後の働き方をイメージしやすくなります。
業務内容だけではなく、担当する利用者数や職員の配置、記録方法なども可能な範囲で掲載すると、求人情報だけでは見えにくい仕事の実態を伝えられます。
勤務時間や休日・夜勤の条件をわかりやすく記載する
介護職は、勤務する施設や業務内容によって働く時間帯が大きく異なるため、勤務条件を具体的に記載することも重要です。
求人には始業・終業時間だけではなく、早番・日勤・遅番・夜勤などの勤務パターンも掲載しましょう。
例
- ✖→シフト制
- 〇→早番7:00~16:00/日勤9:00~18:00/遅番11:00~20:00/夜勤16:30~翌9:30
夜勤がある場合は、勤務時間に加えて月平均の回数や夜勤手当、夜勤を担当する人数なども掲載するといいでしょう。
休日についても、年間休日数や月の休日数、希望休の申請方法、有給休暇の取得状況など、実際の休み方が伝わる情報を記載します。
介護人材の求人では、求職者が自分の生活に合わせて働けるか判断できる内容まで伝えることが応募につながるポイントになります。
職場の人間関係や働きやすさが伝わる情報を掲載する
求職者が応募先を選ぶ際は、給与や仕事内容だけではなく、職場の人間関係や働きやすさも判断材料になります。
実際に、「令和7年度介護労働実態調査」の介護労働者が現在の法人に就職した理由では、「職場の人間関係がよさそうだったため」が35.1%と、「通勤に便利だから」の51.8%の次に多い理由となっていました。
以下のように、実際の制度や取り組みを伝えると効果的でしょう。
例
- 月1回の個別面談を実施
- 入社後は先輩職員が◯ヶ月間サポート
- 子育て中の職員が〇人在籍
「アットホームな職場です」「風通しのよい職場です」のような抽象的な表現だけではなく、職場の様子が具体的に伝わる情報を掲載することがポイントです。
また、職員の年代構成や勤続年数、研修・フォロー体制なども、求職者が自分に合う職場かどうかを判断するための材料になります。
求人票の限られたスペースですべてを伝えることが難しい場合は、自社の採用サイトなどへ誘導し、より詳しい情報を確認できるようにしておきましょう。
※5:公益財団法人介護労働安定センター|令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について
写真や職員の声を掲載して働くイメージを伝える
文章だけでは伝えにくい職場の雰囲気は、写真や実際に働く職員の声を使って伝える方法がおすすめです。
施設の外観だけではなく、職員が働いている様子や休憩スペース、スタッフ同士で話している様子などを掲載すると、求職者が職場の雰囲気をイメージしやすくなります。
職員インタビューでは、入社理由や仕事内容、職場の魅力、入社後に感じたことなどを紹介すると効果的です。若手職員や子育て中の職員、ベテラン職員など、異なる立場の職員を紹介すれば、幅広い求職者が自分に近い働き方をイメージできるでしょう。
また、写真や職員の声を掲載する際には、よい面だけを強調しすぎないこともポイントです。
求職者が「どのような人と、どのような環境で働くのか」を具体的にイメージできる求人にすることで、応募先として検討してもらいやすくなります。
介護人材を集めるにはどの募集方法が効果的?

介護人材を集める方法には、ハローワークや福祉人材センター、求人サイト、人材紹介、リファラル採用などがあります。
採用にかかる費用やアプローチできる人材、採用担当者にかかる負担などは、それぞれ異なります。そのため、1つの方法だけに絞るのではなく、採用する職種や人数、予算などに合わせて複数の方法を組み合わせると効果的です。
介護人材の主な募集方法について、それぞれの特徴を確認してみましょう。
ハローワーク・福祉人材センターで地域の介護人材を募集する
ハローワークや福祉人材センターは、採用コストを抑えながら地域の介護人材を募集する場合に向いています。
ハローワークは全国に設置されており、事業者は原則無料で求人を掲載できます。所在地周辺で仕事を探している求職者に求人情報を届けられるため、地域に根差した採用活動を行いやすいことが特徴です。
福祉人材センターは、社会福祉法に基づいて各都道府県に設置されており、福祉分野で働く人材の確保を支援しています。求人・求職の紹介だけではなく、就職相談や就職フェアなどを通じて福祉の仕事に関心を持つ求職者と接点を持つことが可能です。
介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査」では、「ハローワークや福祉人材センターの担当者に相談」している事業所は64.8%でした。また、この取り組みを行っている事業所のうち、41.8%が「採用に効果があった」と回答しています。
ハローワークや福祉人材センターは掲載費用を抑えやすいため、採用予算が限られている場合や、地域の求職者を継続的に募集する場合におすすめです。
求人サイトで幅広い求職者に求人情報を届ける
求人サイトは、幅広い求職者に求人情報を届けたい場合に効果的です。
求人サイトを利用する求職者は、勤務地や職種、給与、雇用形態などから希望条件に合う求人を検索できます。企業側も自社の採用条件に合う求職者に求人を見てもらえる機会を増やせることがメリットです。
求人サイトには、さまざまな業界・職種を扱う総合型のほか、介護・福祉分野に特化したサービスもあります。介護業界に特化した求人サイトであれば、介護福祉士などの資格保有者や介護業務の経験者に求人を見てもらえる可能性が高まるでしょう。
ただし提供会社によって、掲載料金や利用者層、掲載できる情報量などは異なります。
求人サイトを選ぶ際には掲載料金だけで判断せず、自社が募集する職種や年代、経験などに合った求職者が利用しているかを確認したうえで選ぶことがポイントです。
人材紹介を活用して有資格者や経験者を採用する
人材紹介は、必要な資格や実務経験などの採用条件が明確に設定できるため、条件に合う人材を効率よく採用したい場合に向いています。
採用要件を人材紹介会社へ伝えると、登録者のなかから条件に合う候補者の紹介を受けられます。介護福祉士などの有資格者や、特定の介護サービスで実務経験を持つ人材を探している場合にもおすすめです。
また、自社だけで候補者を探す場合と比べ、応募者の確保や日程調整などにかかる採用担当者の負担を軽減できることもメリットです。
ただし、人材紹介は採用が決まった際に紹介手数料が発生する成功報酬型のサービスが多いため、1人あたりの採用コストが高くなる可能性があります。
急な欠員を補う必要がある場合や、資格・経験などの条件を満たす人材を探す場合には有力な選択肢となりますが、採用予算とのバランスを確認することも必要です。
リファラル採用で職員の人脈から介護人材にアプローチする
リファラル採用は、採用コストを抑えながら、自社と相性の良い人材を集める場合に向いています。
リファラル採用とは、自社で働く職員から友人や知人などを紹介してもらう採用方法です。職員から仕事内容や職場環境を事前に伝えられるため、求人情報だけではわかりにくい職場の雰囲気まで候補者に伝えられることがメリットです。
介護労働安定センターの「令和7年度介護労働実態調査」では、「職員に対して友人・知人などの紹介を依頼」している事業所は66.0%でした。また、この取り組みを行っている事業所のうち、47.3%が「採用に効果があった」と回答しています。
ただし、職員の人脈によって候補者数が左右されるため、多くの応募者を継続的に確保することは難しいかもしれません。その場合は、求人サイトなどほかの募集方法と組み合わせることで、より多くの求職者にアプローチしやすくなるでしょう。
※5:公益財団法人介護労働安定センター|令和7年度「介護労働実態調査」結果の概要について
自社採用サイトで仕事内容や職場の魅力を詳しく伝える
自社採用サイトは、求職者の応募を後押しする場合に効果的です。
求人サイトなどで自社を知った求職者が、応募前に事業所名を検索して採用サイトを確認するのはよくあることです。そのため、自社採用サイトは直接応募を集めるだけではなく、ほかの採用チャネルから訪れた求職者に詳しい情報を提供する役割もあります。
自社採用サイトで以下の情報を記載すれば、求人票だけでは伝えきれない仕事内容や職場の魅力を詳しく伝えられます。
自社採用サイトに掲載した方がいい内容
- 1日の仕事の流れ
- 研修制度
- 福利厚生
- キャリアパス
- 職員インタビューなど
介護職では、施設によって利用者の状況や仕事内容、勤務体制などが異なります。求人票だけでは伝わりにくい情報を採用サイトで補足することで、求職者が入社後の働き方をイメージしやすくなるでしょう。
SNSで職場の雰囲気を発信して介護人材との接点を増やす
SNSは職場の雰囲気や働く職員の様子を継続的に発信できるため、介護人材との接点を増やしたい場合に効果的です。
InstagramやX、YouTubeなどでは、日々の仕事や職員の様子、施設内のイベント、研修風景などを写真や動画で発信できます。求人票では伝えにくい職場の雰囲気を視覚的に伝えられる点が特徴です。
特に若い世代は企業や仕事に関する情報をSNSから得る機会も多いため、若年層の介護人材へ自社を知ってもらうきっかけとしてもSNSの活用は有効です。
また、現在転職活動をしている人だけではなく、将来的に転職する可能性がある人にも情報を届けられるため、自社を知ってもらう機会を増やせることもメリットです。
投稿から採用サイトや求人ページへ移動できる導線を設けることで、「SNSで自社を知る→職場への理解を深める→求人を確認する」という流れを作れます。
介護人材の選考では何を重視すればいい?

介護人材の選考では、保有資格や実務経験に加えて、実際に担当できる業務やコミュニケーション能力、勤務条件などを確認することが大切です。
書類だけで判断するのではなく、面接を通じて自社で必要とする業務を担当できるか、自社の働き方と応募者の希望が合っているかを確認しましょう。
経験や資格だけではなく実際に担当できる業務を確認する
介護人材の選考では、これまで実際に担当してきた業務を確認することが大切です。
例えば、「介護施設で5年間勤務」という経歴だけでは、身体介護をどの程度経験しているのか、夜勤を担当していたのか、認知症のある利用者への対応経験があるのかまではわかりません。
以下のような質問をすると具体的なスキルを確認しやすくなります。
実際に担当できる業務を確認するための質問
- これまでどのような施設・事業所で勤務していましたか?
- 前職では主にどのような介護業務を担当していましたか?
- 食事・入浴・排泄介助のうち、一人で対応できる業務はどれですか?
- 認知症のある利用者への対応経験はありますか?
- 夜勤を担当した経験はありますか?月に何回程度担当していましたか?
- 介護記録はどのような方法で作成していましたか?
- 利用者の急な体調変化やトラブルに対応した経験はありますか?
回答を確認する際は、「経験がある」という事実だけで判断せず、どのような状況で、どのように対応したのかまで聞くことがポイントです。
例えば、認知症のある利用者への対応経験がある場合は、「対応が難しかった場面と、その際にどのように行動しましたか?」と掘り下げることで、実際の対応力を確認できます。
これまでの経験や担当業務を具体的に確認することで、応募者が入社後にどの業務を任せられるのか、どの業務には研修やフォローが必要なのかを判断しやすくなります。
なお、以下の記事では経験者採用の進め方やポイントについて詳しく解説しています。
メリットや採用条件、募集方法から定着までわかりやすく解説|経験者採用とは?進め方と成功のポイント
利用者や職員とのコミュニケーション能力を確認する
介護の仕事では、利用者やその家族、ほかの職員など、さまざまな人とのコミュニケーションが求められます。
利用者の体調や気持ちの変化を把握するには、相手の話を聞く力や状況に合わせて対応する力が必要です。また、介護現場では複数の職員が連携して利用者を支援するため、「報告・連絡・相談」を適切に行えるかも確認する必要があります。
面接では、以下のような質問から、これまでの具体的な経験や対応方法を確認しましょう。
コミュニケーション能力を確認するための質問
- 利用者と接する際に心がけていることはありますか?
- 利用者とのコミュニケーションがうまくいかなかったとき、どのように対応しましたか?
- 利用者から要望や不満を伝えられた場合、どのように対応していましたか?
- 利用者の家族と接する際に意識していたことはありますか?
- 職員同士で意見が異なったとき、どのように対応しましたか?
- 業務中に困ったことが起きた場合、周囲の職員へどのように相談しますか?
- 利用者の体調や様子に変化があった場合、どのように周囲へ報告しますか?
質問する際は、「コミュニケーションが得意ですか」のように本人の自己評価を聞くだけではなく、実際の経験や行動を確認することがポイントです。
例えば、職員と意見が異なった経験について聞く場合は、「そのとき何を考え、相手にどのように伝えましたか」「最終的にどのように解決しましたか」と掘り下げることで、周囲と協力して働く力を確認しやすくなります。
また、「質問の意図を理解して答えているか」「相手の話を最後まで聞けるか」「わかりやすく説明できるか」など、面接中の受け答えも判断材料になります。
具体的な経験や行動からコミュニケーション能力を確認することで、利用者に適切に対応できるか、周囲の職員と連携して業務を進められるかを判断しやすくなります。
勤務条件や働き方の希望をすり合わせる
事業所が求める勤務条件と、応募者が希望する働き方のすり合わせを行うことも大切です。
介護職は、早番・遅番・夜勤など勤務時間が複数に分かれるケースがあります。「シフト勤務可能」という確認だけでは、入社後に認識の違いが生じる可能性があるため、以下のポイントを面接時に確認することで、ミスマッチを防ぎやすくなります。
確認ポイント
- 夜勤に入れる回数や曜日
- 土日・祝日の勤務可否
- 残業への対応
- 希望する勤務時間など
応募者側にも家庭の事情や通勤時間などがあり、対応できる勤務時間や曜日はそれぞれ異なります。企業側の条件を一方的に伝えるのではなく、応募者の希望も聞いたうえで、双方が納得できる働き方を確認することがポイントです。
仕事の大変な部分を伝えて入社後のギャップを減らす
選考では、職場の魅力だけではなく、実際に働くうえで大変な部分についても応募者へ伝えることが重要です。
採用につなげることを優先してよい面だけを伝えると、入社後に「聞いていた仕事内容と違う」と感じる原因になりかねません。
以下のような事前に知っておいてほしい内容は、具体的に説明しましょう。
例
- 身体的な負担が大きい業務がある
- 夜勤の忙しさ
- 利用者や家族への対応で難しい場面がある
ただし、応募者が必要以上に不安にならないよう、大変な部分を伝える際には事業所でどのような対策やサポートを行っているのかもあわせて説明することがポイントです。
例えば、「介護機器を導入して身体的な負担を軽減している」「困ったときに相談できる担当者を設けている」など、実際の取り組みを伝えれば、「職員のことも大切にしている事業所」というイメージが伝わるでしょう。
仕事内容のよい面と大変な面の両方を選考段階で共有することで、応募者も自分に合う職場かを判断しやすくなり、入社後の認識のズレを減らせます。
採用した介護人材に長く働いてもらうための定着施策

介護人材を安定して確保するには、新しい人材の採用とあわせて、入社した職員が長く働ける環境を整えることが大切です。
ここでは、職場で取り組める主な定着施策を紹介します。
職員同士がコミュニケーションを取りやすい職場を作る
1つ目は、仕事上の悩みや困りごとを相談しやすい職場環境を作ることです。
介護の現場では、利用者への対応や業務の進め方などについて、職員同士で情報を共有しながら仕事を進めます。
相談しにくい状態が続くと、1人で悩みを抱えたり、職員間の認識にズレが生じたりする原因にもなります。
特に入社直後は、仕事の進め方や職場のルール、人間関係などに慣れるまで時間がかかる時期です。先輩職員や上司が定期的に声をかけるほか、個人面談や相談窓口を設けるなど、悩みを早い段階で把握できる仕組み作りを意識しましょう。
申し送りやミーティングなど、職員同士が情報や意見を共有する機会を定期的に設けることも有効です。
管理者から職員へ一方的に情報を伝えるだけではなく、現場からも意見を出せる環境を整えることで、職員同士が協力して働きやすい職場づくりにつながります。
本人の希望や適性を考慮して配置する
2つ目は、職員の経験や得意分野、働き方の希望などを考慮して配置することです。
同じ介護職員でも、身体介護の経験が豊富な人もいれば、認知症のある利用者への対応やレクリエーションなどを得意とする人もいます。それぞれの経験やスキルを活かせる業務を任せれば、本人も仕事に取り組みやすくなります。
配置を検討する際は、入社時の配置で固定するのではなく、定期的な面談などを通じて「現在の業務で困っていることはないか」「今後担当してみたい仕事はあるか」などを確認したうえで検討することがポイントです。
なお、人間関係や身体的な負担などが原因で現在の業務を続けることが難しくなっている場合は、担当業務や勤務時間、配置先を変更することで働き続けられるケースもあります。
事業所の人員体制とのバランスを考えながら、経験や適性を活かせる配置を検討することが大切です。
家庭と仕事を両立できる制度を整える
3つ目は、育児や家族の介護など、家庭と仕事を両立しながら働ける制度を整えることです。
介護職は早番・遅番・夜勤など複数の勤務時間がある職種が多いため、家庭の状況が変化すると、それまでと同じ働き方を続けることが難しくなる場合があります。しかし、以下のような制度を取り入れれば、仕事と家庭の両立が可能になる人が増えるかもしれません。
家庭と仕事を両立できる制度の例
- 短時間勤務を利用できるようにする
- 夜勤の回数や勤務時間を調整する
- 希望休を申請しやすくする
- 有給休暇を取得しやすい体制を整える
- 育児・介護休業から復帰しやすい環境を作る
- 「パートから正社員」「正社員から短時間勤務」など、働き方を変更できるようにする
ライフステージの変化に合わせて働き方を選べれば、「現在の勤務条件では働けない」という理由だけで離職することを防ぎやすくなります。
キャリアアップできる環境を整える
4つ目は、スキルアップやキャリアアップを支援する環境を整えることです。
入社後に同じ仕事を続けるだけでは、経験を積んだ先の目標を見失ってしまう人もいるでしょう。
しかし、「介護職員→介護福祉士→リーダー→管理職」などへステップアップできるキャリアパスを整えれば、モチベーションを保ちながら長く働く人が増える可能性があります。
具体的な取り組み例
- 介護福祉士などの資格取得費用を補助する
- 外部研修や社内研修への参加機会を設ける
- 経験やスキルに応じて担当できる業務を広げる
- リーダーや管理職を目指せる昇進基準を明確にする
- 資格や役割に応じた手当を設ける
- 定期面談で今後のキャリアについて話し合う
職員が経験を積みながら成長でき、その成果が役割や待遇にも反映される仕組みを作ることが、長期的な定着につながります。
介護人材の採用が難しい場合は採用対象をどのように広げればいい?

求人内容や募集方法を見直しても必要な人材を確保できない場合は、採用対象を広げる必要があります。
ここでは、介護人材の採用対象を広げる主な方法を確認していきましょう。
無資格・未経験者まで採用対象を広げる
資格や実務経験を必須としている場合は、無資格者や介護業務の未経験者まで採用対象を広げてみましょう。
介護の仕事には資格が必要な職種や業務がある一方で、すべての仕事に介護福祉士などの資格や実務経験が求められるわけではありません。
例えば、施設内の清掃やベッドメイク、食事の配膳、備品の補充など、専門的な介護技術を必要としない業務もあります。介護職員がこのような周辺業務まで担当している場合は、業務を切り分けて無資格・未経験者に任せる方法も有効です。
資格を持つ職員が専門的な介護業務に集中しやすくなり、現場全体の負担軽減にもつながります。
実際に、未経験者を採用し、入社後の研修や資格取得支援を通じて介護人材として育成している企業も多くあります。
資格取得に必要な費用の補助や研修の実施など、働きながら知識やスキルを身につけられる環境を用意すれば、介護業界で働いた経験がない人も採用候補にできます。
採用時点の資格や経験だけで対象を限定せず、「無資格でも担当できる業務を任せる」「入社後に資格取得を支援して育成する」という選択肢を設けることで、これまで介護業界で働いていなかった人材まで採用対象を広げられます。
短時間勤務やパートなど働き方の選択肢を増やす
フルタイムや正社員だけで人材を確保することが難しい場合は、勤務時間や雇用形態などの選択肢を増やしてみましょう。
介護業務の経験や資格を持っていても、育児や家族の介護などの事情から、フルタイム勤務や夜勤が難しい人もいます。しかし、以下のような働き方を取り入れれば、応募できる人の幅が広がります。
例
- 1日4時間などの短時間勤務
- 週2~3日のパート勤務
- 午前・午後のみの勤務
- 夜勤を含まない勤務
- 特定の曜日に限定した勤務
すべての職員が同じ時間帯で働くことを前提にせず、「午前中の入浴介助」「食事の時間帯」「夕方の業務」など、人手が必要な時間に合わせて勤務時間を設定する方法も有効です。
業務量や時間帯ごとの人員配置を確認して働き方の選択肢を増やせば、フルタイムでは応募が難しかった人材にも採用対象を広げられます。
介護業務の経験を持つシニア人材も採用対象にする
年齢で対象を限定せず、介護業務の経験を持つシニア人材まで採用対象を広げることも選択肢の1つです。
シニア人材のなかには、介護施設や訪問介護などで長年働き、介護業務の経験や資格を持つ人もいます。これまでの経験を活かせる人材であれば、利用者への対応や家族とのコミュニケーションなど、介護現場で必要となるさまざまな場面で活躍が期待できます。
フルタイム勤務に限定せず、短時間勤務やパートなど、本人の希望や体力に合わせた働き方を用意すれば、より幅広いシニア人材を採用候補にできるでしょう。
なお、以下の記事では、シニア人材の活用方法について詳しく解説しています。
活躍につながる配置方法や定着のポイントを解説|シニア人材の活用方法を事例から学ぶ!
介護人材の採用に関するよくある質問

最後に、介護人材の採用に関するよくある質問を紹介します。
介護人材の採用で応募が集まらない場合はどうすればいい?
介護人材の採用で応募が集まらない場合は、求人内容と利用している募集方法の両方を見直すことが重要です。
まずは、同じ地域・職種の求人と比較し、給与水準や休日数、勤務時間などに大きな差がないか確認しましょう。
求人内容を見直しても応募が増えない場合は、採用チャネルを増やす方法も有効です。ハローワークだけで募集しているのであれば、求人サイトやリファラル採用などを組み合わせることで、これまで求人情報を届けられていなかった人材との接点を増やせます。
さらに、資格や経験、年齢、勤務時間などの条件を厳しく設定している場合は、本当に必要な条件かを改めて確認することもポイントです。
無資格・未経験者や短時間勤務を希望する人、介護経験を持つシニア人材などまで対象を広げることで、応募できる人材の幅が広がります。
介護人材を採用する際に資格は必須?
資格が必要かどうかは、採用後に担当してもらう職種や業務によって異なります。
介護業界には、資格が必要な職種・業務がある一方で、無資格から担当できる仕事もあります。そのため、すべての応募者へ資格を求める必要があるとは限りません。
無資格でも担当できる業務
- 施設内の清掃
- ベッドメイク
- 食事の配膳
- 備品の補充など
無資格者を採用し、入社後の研修や資格取得支援を通じて介護人材として育成する方法も選択肢の1つです。
採用要件を決める際は、「資格保有者」という条件から考えるのではなく、入社後に任せる業務を確認し、その業務を担当するために資格が必要かどうかを判断するとよいでしょう。
介護人材の採用ではどのような求人内容が効果的?
介護人材の採用では、求職者が実際に働く姿をイメージできる求人内容にすることがポイントです。
求人内容の例
- 給与
- 勤務時間
- 休日
- 具体的な仕事内容
- 1日の流れ
- 夜勤の回数
- 職員体制など
また、求職者にとっては職場の雰囲気や人間関係も応募先を選ぶ判断材料になります。
「働きやすい職場」「アットホームな職場」のような抽象的な表現だけではなく、研修・フォロー体制や希望休の取りやすさ、職員の年代構成など、働きやすさの根拠となる情報も伝えましょう。
写真や職員インタビューを掲載し、実際に働く人や職場の様子を見せることもおすすめです。
介護人材の採用成功には採用方法の見直しと定着支援が重要

介護人材の採用を成功させるには、求人を掲載して応募を待つだけではなく、採用要件から求人内容、募集方法、選考、採用後の定着まで一連の流れで考えることが大切です。
まずは、自社で必要な職種や人数、資格・経験などを明確にし、求職者が仕事内容や働き方を具体的にイメージできる求人を作成しましょう。そのうえで、ハローワークや求人サイト、人材紹介、リファラル採用などから、自社に合った募集方法を選びます。
選考では資格や経験年数だけで判断せず、これまで担当してきた業務やコミュニケーション能力、勤務条件などを確認することもポイントです。採用後は、職員同士が相談しやすい環境や柔軟な働き方、キャリアアップできる仕組みを整えることで、長期的な定着につなげられます。
また、無資格・未経験者や短時間勤務を希望する人などへ採用対象を広げる方法もおすすめです。介護施設や訪問介護などで実務経験を積んできたシニア人材も、有力な採用候補になります。
この機会に、「シニア求人情報を無料で掲載できるサービス」を利用して母集団を広げ、面接で再現性や適応力を見極める流れを作り、低コストでできる採用活動を始めてみてはいかがでしょうか?










